就活のスタートがどんどん早まっています。
大学3年生の夏にはインターン、秋には選考、年内に内定——。
この記事では、なぜ就活が早期化しているのか、なぜ就活の早期化がおかしいのかを解説します。
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なぜ就活の早期化が進んでいるのか
就活が年々早まっていると感じている学生は少なくありません。
まぁ、実際に早まっているわけだが。
企業側の事情や就活市場の構造変化が、この早期化の背景にあります。
まずは、なぜ就活の早期化が進んでいるのかその主な要因を整理してみましょう。
採用競争の激化が背景にある
新卒採用は企業にとって「将来の投資」です。
特に優秀な学生や専門性の高い人材を確保したいと考える企業は、ライバルよりも一歩でも早くアプローチを始めたいと考えています。
人材確保のため、年々採用スケジュールが前倒しされる傾向にあります。
また、かつては経団連（日本経済団体連合会）が採用解禁時期のルールを定めていましたが、現在はこのスケジュールが実質的に形骸化。
政府主導の就活スケジュールもあるものの、法的拘束力はなく実際には“通年採用”のような形で企業ごとに自由なタイミングで選考を進めています。
3月情報解禁、6月選考開始、10月内定というルールはあるが、当然すべての企業が守るわけではない。
そのため大学3年の夏・秋の時点でインターンを開催し、その中で事実上の選考が始まっているケースも珍しくなくなっています。
他社を出し抜こうとする企業の姿勢が、就活の早期化に拍車をかけているのね。
大学1〜2年生をターゲットにしたサービスが増加
最近では、大学1・2年生を対象にした就活支援サービスも登場しています。
たとえば「サマーインターン」「早期キャリアイベント」「逆求人型サービス」などは、早い段階から就活意識を持つ学生を取り込むことを目的としています。
スカウト型（逆求人型）の就職サイトでは、大学2年生の登録も珍しくありません。
スカウト型の就職サイトに自己PRを登録しておけば企業からオファーが届き、インターンや座談会、早期選考に進むことも可能です。
スカウト型の就活サイトに早めに登録しておくのは悪くないかもね。
結果として、「まだ何もしていないと不安」「準備が早くないと不利」という空気が生まれ、周囲に合わせて焦って動き出す学生が増えています。
周囲に合わせてどんどんスタートが早くなる。
この流れは止まらんだろう。
就活の早期化はおかしい
大学生活が始まって間もない時期から「就活準備は早めに始めよう」と言われ、気づけば1〜2年生のうちからサマーインターンの情報が飛び交う時代。
就活の早期化なんて絶対良くないわ。
なぜ就活の早期化がおかしいのか、なぜ良くないのかを詳しく解説します。
将来を決められない学生も多い
大学に入ったばかりの時期は、多くの人にとって進路選択の準備期間です。
やりたいことも、得意なこともまだ手探りで、これからの学びや経験を通して徐々に見えてきます。
ところが現実には、大学2年の終わりや3年生の夏には「志望業界」「第一志望企業」「キャリアビジョン」などを求められる場面が次々と訪れます。
さらに、ガクチカがなければ就活が不利になる始末…。
将来像が固まりきっていないうちに、「とにかく選考に進まなきゃ」という流れに巻き込まれ、十分に考える時間すら取れないまま就活がスタートしてしまいます。
学業がおろそかになる
就活準備が前倒しになるほど、大学での学びとの両立は難しくなります。
レポート、ゼミ活動、研究、インターン…やることは山ほどあるのに、就活セミナーや面接練習、企業研究に時間を取られ、講義に出席する余裕がなくなるという声もよく耳にします。
特に理系や専門学部の学生にとっては、卒業研究や実験といった「将来の土台になる学び」を疎かにしてまで就活に注力しなければならない状況が続いています。
理系の学生は本当に忙しそうね…。
学業が本分なのだから、研究に集中したいわよね。
情報弱者を生んでしまう
就活の早期化が進む中で、目立つようになってきたのが「情報格差」です。
早い段階から就活イベントに参加したり、OB・OG訪問を活用できる学生と、そうでない学生との間に大きな差が開いてしまいます。
Fラン大学だと就活意識が低いから余計に…。
都市部の大学に通っている、兄姉に社会人がいる、情報感度が高い――そういった“スタートラインが前にある人”は自然と有利になります。
一方で、地方大学に在籍していたり、情報へのアクセス手段が限られていたりすると、「いつの間にか周りが先に動いていた」と感じて焦りを募らせることになります。
就活情弱はいつの時代も存在する。
AI時代の今だってそうだ。
このような構造が、「出遅れたら終わり」「早く始めないと損」という空気を作り出し、本来はじっくり考えるべき就活を“競争ゲーム”のようにしてしまっているのです。
「内定＝ゴール」になってしまう危険性
「早く内定を取った者勝ち」。
そんな価値観が広がるなかで、就活の目的が「自分のやりたいことを見つける」ではなく、「とにかく早く決めること」にすり替わってしまうケースも見られます。
内定が出たことで安心してしまい、企業について深く理解しないまま入社を決める。
あるいは、周囲と比較して焦って意思決定を急ぐ。
仲間内で無い内定だと、精神に異常をきたす。
周囲もないなら安心できるのだが…。
就活を早期に始めてしまった結果、入社後に「思っていた会社と違った」と後悔する人も少なくありません。
本来、キャリアは一人ひとり異なるものであり、急げばよいというものではないはずです。
就活の早期化が、こうした“内定至上主義”や“自分軸の喪失”を助長していることに、違和感や警戒感を覚えるのは当然の感覚と言えるでしょう。
就活早期化とどう向き合うべきか
学生のことを考えれば、就活早期化は間違いなくおかしいです。
しかし、この流れを止めることは難しいでしょう。
国がしっかり管理すべきだと思うが、まず無理だろう。
就活生が就活の早期化に違和感を覚えながらも、「何もしないのは不安」「周りに取り残される気がする」と焦る気持ちを抱えるのは当然のことです。
加速する就活早期化とどう向き合うべきかを解説します。
できる範囲で早めに動く
「早期化＝無理して急ぐべき」と捉える必要はありませんが、就活の準備において“できることから少しずつ始めておく”という姿勢は非常に有効です。
たとえば、自分の興味ある業界を調べてみたり、自己分析をしてみたりと負担の少ない作業でも十分に意味があります。
早期のインターンに参加する・しないは個人の判断で良いですが、「動き出し＝意識し始めること」ととらえれば、気づいたときからでも十分に間に合います。
3年生の10月から始める、と決めておくだけでも十分有効よ。
就活に正解のタイミングはないからこそ、自分の生活や気持ちにフィットしたペースを大切にしましょう。
ガクチカを作っておく
早期化が進む今、企業側は「学生生活で何を頑張ってきたか」という質問への答えをより早く求めるようになっています。
ガクチカがないとな、就活はとても苦しいものになるんだ…。
とはいえ、特別な経験や華々しい実績がなければいけないわけではありません。
サークルやバイト、小さなプロジェクトなど、日常の中での経験からも十分にガクチカは作れます。
ポイントは、「なぜ取り組んだのか」「どんな工夫をしたのか」「結果どうなったのか」を自分なりに振り返って言語化しておくことです。
早期に選考が始まっても、自分の言葉で語れる経験がひとつでもあれば、心に余裕が生まれます。
“選ばれる就活”から“選ぶ就活”へ
早期化によって、「企業からどう見られるか」ばかりに意識が向いてしまいがちですが、就活は本来“自分に合った場所を選ぶ”ためのものです。
大学院進学やフリーランス的な働き方、起業準備といった「就職以外の進路」も含めて、自分らしいキャリアの形を柔軟に描くことができる時代になっています。
できるだけ多くの選択肢から選べるように、大学生活は自分のレベルアップに注力しましょう。
また、就活エージェントを活用すれば、自分の性格や希望に合った企業を紹介してもらえるため、「自分から探しに行くのが苦手」という人にも有効です。
就活エージェントから紹介された求人を自分で選ぶ。
これも立派な就活よ。
「焦らなくても大丈夫」と言える根拠を知る
最後に、「就活は一度きりではない」「やり直しができる」という事実を知っておくことも、焦りや不安を和らげる助けになります。
たとえば、厚生労働省のデータによれば、新卒の3年以内離職率は約30%です。
多くの人が「最初の就職先がすべてではない」と実感し、転職や進路変更を通じてキャリアを築いています。
さらに、文部科学省の調査では「大学卒業後すぐに就職しなかった人」への支援制度や学び直しの機会も拡大しており、キャリア形成の柔軟性は年々高まっています。
今の就活が思い通りに進まなくても、それは“将来の選択肢を閉ざすこと”にはなりません。
焦って選ぶよりも、自分で納得できるタイミングと方向性で動くことが、結果として良い選択につながる。
そのことを忘れずに、早期化の波と“自分の軸”のバランスを取りながら進んでいきましょう。
「早く動けない＝負け」じゃない
就活の早期化が進み、「大学2年からインターンに行くのが普通」といった空気感が強まる中で、焦りを感じる人も少なくありません。
しかし、就活に早く取り組めなかったからといって、それが失敗を意味するわけではありません。
むしろ、自分が何を大切にしたいのか、どんな働き方がしたいのかといった「就活の軸」があいまいなまま動いても、納得のいく選択にはつながりにくいでしょう。
大事なのは、早く動くことではなく自分のペースで就活をすることだ。
また、キャリアは一度の就活ですべてが決まるわけではありません。
自分の歩幅で、自分の納得できる道を選ぶことが、長期的なキャリア満足度につながると覚えておきましょう。
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